RSGT2021 Day1メモ
RSGT2021初日に参加したセッションのメモ。
※記憶に残ったもの、かつ解釈を加えたりしているので、純粋な記録ではありません。
アジャイルを忘れるチーム Unlearn Agile
発表者
オンザロード @kyon_mm
Regional Scrum Gathering Tokyo 2021 - アジャイルを忘れるチーム Unlearn Agile | ConfEngine - Conference Platform
取り組み
- 複数パターンのスプリント(15min / 1hour / 1day / 1week / 1month)
- KPT as ART
- ミーム…スーザン・ブラックモア
- パタンランゲージと性質…Sscrapboxでまとめている
- etc
パタン・ランゲージ
- 「つよくてニューゲーム」…繰り返し作業は効率がいい
- 「脊髄感謝」…ネガティブフィードバックは萎縮を起こす。ゆっくりした口調で感謝。
- 「ついでの一仕事」…始めるのは大変、ついでにやるのは簡単。
良いチームではなく「心地いいチーム」「心地いい共同作業」
Q.「心地いい共同作業」とは?その理由とは?
→オンサインとDiscordで発言大会。超盛り上がる。
「パターンを実行しているがうまくいかない」ことがある。
スクラムイベントやってるけど形骸化している、などはよく聞く。
一方で生き生きしているチームは確実に存在する。何が違うのか?
(びばさんオキザリス、筑波大学enPIT)
→直感&客観を深く共感する
それに寄与するパターンはなにか?
チームの秩序マップ
ルール・原則・ガイド>実験>直観・客観の深い共感
たった一人からはじめて70人の縦割り組織にスクラム導入した話
Cyber Agent 鑓水 優行
背景
スマホアプリ開発の話。
デザイナや開発者、テスターなど非常に細かく職種が別れている縦割り組織。
職能別のサイロ型組織で、それぞれにリーダーやサブリーダーが存在する。
伝言ゲーム、タスク調整で忙殺されて仕事が進まない。
状況がわからないと不満が募る
→仕様まだ?実装まだ?
→デザイナ仕事遅い、プログラマ室が悪い…などの悪口が出始める
発表者自身はリーダーでもなんでもなく、特に権限もない。
その状態で影響を与えるための戦略
- タイミングを見計らう
- 体制変更、目標の変更、etc
権力者に直談判する
- 将軍の耳元でささやくパターン
-> Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン
- 将軍の耳元でささやくパターン
信頼貯金は必要
-> 人を動かす難しい用語は使わない
- 既存のやり方を否定して対立を引き起こさない。
- 新しい言葉を使わない。拒絶反応を避ける。
- 効果測定…スクラム導入チームとそうでないチームでABテスト
スクラム導入した結果
タスク調整の負担がなくなった スケジュール調整という役割がなくなった。
課題
- 新しい言葉を避けた結果、いまだにスクラム用語は使えていない
- スケーリングできていない。教える側が不足している。
なぜ私はチームにい続けるのか。あるいは、エンジニアとしての成長のためのチームの活用について。
背景
レガシーなシステムの開発・メンテをひとりぼっち。
エンジニアとしての成長が感じられない日々。
→転職を決意
元々いたチームはいいチームだったが諸々の理由により解散。
転職のときに求めた条件
- 言いたいことを言えるチームであること
- チームを守る/守ろうとする人がいること
転職活動で人やチームを見るのは大変。
プロダクトは見えやすいが誰がどう当たらいているかは見えづらい。
とくに、そこに「自分」が入ったイメージを考えるのは難しい。
→社内で及部さんに出会う。同期、雑談ベースで機会、カフェスペース
自分は年上の部下など後ろめたさ… →「その懸念は実在するのか?」確認するしかない →「言ってみる」しかない
背中を預けられる安心感/背中を預かる緊張感
言ってみたことを聞いて前向きに動いてくれる。
失言があったときにそれを嗜めるとともに理由を伝えてくれる。
→「言っても大丈夫」という安心感
チームを安定させたい
「自分がボトルネックにならないこと」
自分がいなくてもできる状態を目指す。
→あれ?自分いらないのでは?
本業以外で経験を積んでチームに持ち帰る
日本人と外国人のディスカッション:日本でのアジャイルとスクラムの導入をどう加速すれば良いか?
Japan Intercultural Consulting Rochelle Kopp
Why this session?
日本におけるアジャイル・スクラム導入の課題に関して議論する - 文化的ハードル - 組織的ハードル
Q1.日本におけるアジャイル・スクラム導入で大変なこと
※この辺のセッション中のホワイトボード貼っていいんだろうか…駄目だったら教えて下さい…
Q2. アジャイル・スクラム導入における日本特有の難しさはなにか
- マネージャーが「自分がマネジメントされたやり方」を踏襲しようとする
- コードが書けない管理者が多い
- 新規メンバーを育成対象(能力がない、信頼しない)とみなす
Q3. 日本におけるアジャイル・スクラム開発の導入 を加速するための最もよい方法はなにか
- マネジメント層から変えるべき
- 成功事例を示す(Small win small start)
- 社外の人の力を使う
Great Scrum Master
Zuzi Sochova
Regional Scrum Gathering Tokyo 2021 - Great ScrumMaster | ConfEngine - Conference Platform
スクラムマスターの役割
「アジャイルをやること」と「アジャイルになること」は違う。 「アジャイルになるには数年の時間が必要であり、まだ私は途中にいる」。
- Teaching, Mentoring(最初の教育)
- Removing Impairment(障害の除去)
- Facilitation(ファシリテーション)
- Coaching(コーチング)
- Teachingと何が違うのか? Teachingはその分野の専門知識が必要だがCoachingは違う。 その分野の知識がなくても「勉強の仕方」などは教えられる
- Observe(観察)
- その後の経過を観察する。トヨタの製造ラインの話。
スクラムを拡大していくために
- Curiosity(好奇心)
- Respect(尊重)
- Patience(忍耐)
- Playfulness(遊び心)
サーバント・リーダーシップ
別の会話にて
Servant Leadership
をLeader who serves
と言い換えるという話があった。
サーバント・リーダーシップだと感覚的にリーダーではなく雑用する人、みたいな聞こえになりがち。
あくまでリーダであり、支援する人なのだ、ということを明確に表す言葉としてLeader who serves
という言葉はいいのではないか。
スクラムマスターの学び
ソフトスキルについて講義などできちんと学んだことはあるか?
実際に現場のスクラムマスターに聞くとYesは10%もない。
Join My Class
認定スクラムマスター資格。
オンライン講座あり。
割引コードもあり。
アギレルゴ アジャイル研修
Q&A
- サーバント・リーダーシップの素養はなにか?ジュニアには難しいのでは?
所感/Discordの会話
「文化人類学者であれ」の言わんとすること
「こうあるべき」を押し付けるのでなく、そのチームのありのままを観察して、なぜこういう行動をとるのだろうというのを興味をもって考察する。
観察をしたらコントロールしなければいけないという先入観を無くせ!というための言い換えとして、文化人類学なんだろうか。
技術的な部分も知識や経験を持っておくと「共感」というツールの幅のあるコーチャーになっていけるって感じなのかなぁ。
技術に限らず、経営的な知識・視点を持てれば上位層に対しても共感しやすくなり、巻き込みやすくなる?
実際に仕事をすすめるために、かつ自分の共感のチャンネルを広げるために知識・スキルはあるにこしたことはない、という感じかな。
とはいえ時間は有限だし好奇心にも偏りはあるので、とても難しい。
とにかく知り合いを増やすことを目的とした会
Growth Architectures & Teams, Inc. Agile Coach Saito Norihiko
Rakuten Inc. Manager Shinya Ogasawara
Regional Scrum Gathering Tokyo 2021 - とにかく知り合いを増やすことを目的とした会 | ConfEngine - Conference Platform
ランダムにグループ分けして記者会見をテーマにした質問会。
私は知り合いゼロで参加してたので、ほんっとーーーーーにありがたいセッションでした。
企画していただいてありがとうございます!!
関連リンク
セッションやDiscordで言及があった書籍など。
記事・サイト
書籍
- Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン
- パタン・ランゲージ―環境設計の手引
- 人を動かす 文庫版
- 教育学概論-第2版 (教師教育テキスト)
- アリ語で寝言を言いました
文化人類学…Zuziの話で度々出てくるもの